ポリエチレン管の特長

ポリエチレン管の特性

高密度ポリエチレンを原料とするポリエチレン管は、衝撃に強く、可とう性があるので地震による地層のずれや地盤沈下に追従して屈曲するため、災害時でも折れたり破損したりしにくい管材です。東日本大震災などの大きな自然災害でも、ポリエチレン管が破損する被害はほとんどありませんでした。軽量で加工が容易であることと、施工性が非常に高いことから、災害復旧にも多くの実績があります。また、ポリエチレンは耐寒性、耐薬品性に優れ、腐食しにくい耐久性の高い素材です。管材の成分が溶け出して自然環境を汚染することがないので、健康やエコに配慮する必要のある用途にも最適です。

外圧

外圧

高密度ポリエチレン管は、高外圧に耐えうる埋設管として、下水道管や排水管、導水管など様々な分野で広く採用されています。
また、同耐圧の他管種と比較しても軽量であることから高い施工性を発揮しています。

内圧

外圧に強いだけでなく、内圧にも強いポリエチレンパイプ内圧管も登場し、
上下水道・ガス・工業用水等の様々な分野にてその優秀性が認められて様々な用途で使用されています。

最大圧力1.60MPaに対応

高い耐圧強度を誇るポリエチレンパイプ内圧管は、設計圧力1.60MPaに対応できます。ISO規格に準拠しているので、水密性、耐震性、耐久性においても安心で信頼性の高いパイプラインの構築ができます。

  SDR11 SDR13.6 SDR17 SDR21
呼び径 φ315〜φ630 φ315〜φ800 φ315〜φ800 φ315〜φ800
設計圧力※(MPa) 1.60 1.27 1.00 0.80

※設計圧力における安全率は、ISO 4427-2007に基づき1.25を見込んでいます。
※SDR(Standard Dimension Ratio)は管外径φDを肉厚tにより除した値です。(SDR=D/t D:パイプ外径、t:パイプ肉厚)

耐震性

高密度ポリエチレン管は衝撃に強く、可とう性があるので地層のずれや地盤沈下に追従して屈曲するため、災害時でも被害の出にくい管材です。万が一の災害時も安心です。

「地震動レベル2」に対して耐震性を発揮する3つのポイント

地震動における継手部の抜け、
屈曲に対しても安全

スリップオン接続や、バット融着・EF接続による接続においては、地震による大きな地盤歪み、継手部の屈曲が発生しても安全性を保ちます。

地盤歪みに柔軟に追従する
可とう性

継手と管本体ともに伸縮・可とう性を有するため、軟弱地盤における不同沈下及び地震による地盤歪みに対応できます。また、一体構造管路においても、管の柔軟性が高いので地盤変動に追従します。

偏平強度が大きく、
剛性が高い

ポリエチレン管は、大きなたわみが発生しても、破損する恐れがありません。

  • 地震動レベルとは?

    地震動(地震によって発生する揺れ)の大きさは、マグニチュードや震度、加速度(ガル)、速度(カイン)など様々な尺度で数値化できます。地震動レベルは土木構造物の耐震性能を評価する際に使われる基準で、速度を目安に「地震動レベル1」と「地震動レベル2」の2段階に分けられています。

    〈地震動レベル1〉地震カイングラフ
    土木建築物の耐用年数のうちに1回発生することが推測される程度の地震動です。
    厳密な数値が定められているわけではないですが、一般的には25カイン程度の
    中地震を指します。

    〈地震動レベル2〉
    土木建築物が、将来遭遇するかもしれない最大の強さの地震動を指します。
    当該の場所で過去に発生した記録はないものの、万が一発生すれば甚大な被害を
    もたらす程度の大地震であり、50カイン程度を想定しています。
    •  

    地震に強いポリエチレン管

    ポリエチレン管は衝撃に強く、可とう性があるので地震による地層のずれや地盤沈下に追従して屈曲するため、災害時でも折れたり破損したりしにくい管です。2011年3月の東日本大震災、2014年11月の長野県神城断層地震、2016年4月の熊本地震では配水管の管路被害が相次ぎましたが、ポリエチレン管の被害はほぼゼロという状況でした。

    東日本大震災の管路被害

    広い範囲に甚大な被害をもたらした東日本大震災のなかでも、軟弱地盤の為、ほかの被災地よりも管路被害が多かった宮城県大崎の状況です。大崎市全体では管路被害は134件ありましたが、水道配水用ポリエチレン管の被害は1件だけでした。

    管種 管路延長(km) 被害箇所数 被害率
    石綿セメント管(ACP) 23.2 13 0.560
    鋳鉄管(CIP) 12.6 12 0.955
    ダクタイル鋳鉄管(DIP) 444.6 30 0.067
    硬質ポリ塩化ビニル管(PVC) 592.9 59 0.099
    鋼管(SP) 23.6 14 0.592
    その他 23.2 5 0.216
    ポリエチレン管(PE) 126.3 1 0.008

    参考資料
    配水用ポリエチレンパイプシステム協会「東日本大震災における宮城県大崎市の管路被害状況調査」
    http://politec.gr.jp/ad/wordpress/wp-content/uploads/2016/02/201364miyagi.pdf

    熊本地震の管路被害

    熊本地震では水道配水管の被害が多く見られましたが、ポリエチレン管は1件だけでした。被害が出た1件は継手が融着でないタイプの配水管で、継手が抜けて漏水を起こすという比較的軽微な被害でした。

    管種 管路延長(km) 被害箇所数 被害率
    鋳鉄管(CIP) 90.1 36 0.400
    ダクタイル鋳鉄管(DIP) 2508.6 72 0.029
    硬質ポリ塩化ビニル管(PVC) 400.1 71 0.177
    鋼管(SP) 200.7 80 0.399
    その他 62.0 3 0.048
    ポリエチレン管(PE) 152.8 1 0.007

    参考資料
    厚生労働省「平成28年(2016年)熊本地震水道施設被害等現地調査団報告書」
    http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/houkoku/suidou/dl/140421-1_07.pdf

耐摩耗性

高密度ポリエチレン樹脂製のポリエチレン管は、耐摩耗性に優れ極めて丈夫です。
主要な他の材質に比べても、摩耗量は最も低い数値を誇っています。

テーバー式摩耗試験による比較

テーバー式摩耗試験による比較

平均摩耗値(ダルムシュタット法)による比較

平均摩耗値(ダルムシュタット法)による比較

耐久性

高密度ポリエチレン管は強靭な強度に加え、「耐摩耗性」、「耐薬品性」を有しており、高い耐久性を発揮します。
また耐候性も優れているので露出配管も可能です。ライフサイクルコストの観点からもメリットが大きい管材です。

塩害・電蝕にも耐久性を保持

コルゲート管は鋼製材料であるため
さびが発生しやすい

耐腐食性も保持しているので、塩害が発生しやすい海沿いの地域でも安心して使えます。
ポリエチレン樹脂なので電蝕の影響も受けません。

耐薬品性

高密度ポリエチレン樹脂の特性により、酸・アルカリに強く電解腐蝕、接触腐蝕、塩害等にも耐性があります。
またサビ、細菌、水あか等の影響もありません。

耐薬品性

20℃ 60℃
塩酸 35%
硫酸 60%
〃 95% ×
〃 98% ×
硝酸 25%
〃 50% ×
〃 70% ×
〃 95% × ×
燐酸 50%
〃 90% ×
〃 95% ×
酢酸 60%
〃 100%
クロム酸
蟻酸
蓚酸
乳酸
ベルゼンスルフォン酸 × ×
オレイン酸 ×
マレイン酸
ステアリン酸
氷酢酸 × ×
過酸化水素
アルカリ 20℃ 60℃
アンモニア水溶液
苛性ソーダ
苛性カリ
水酸化カルシウム
塩基 20℃ 60℃
重クロム酸カリウム
過マンガン酸カリウム
炭酸カルシウム
塩化第二鉄
塩化バリューム
硫安
金属石鹸

◎使用できる  ◯通常の条件で使用できる  ×使用できない

水理特性

ポリエチレン管は内面平滑構造により粗度係数が小さいため優れた通水能力を発揮します。
他管種との比較しても流量が大きいので管体の口径サイズダウンが可能になります。

テーバー式摩耗試験による比較
平均摩耗値(ダルムシュタット法)による比較

施工性

他管種と比べ軽量

他管種と比べても軽量なので、布設機械の小型化が可能となるため、全体的なコストダウンが図れます。軽量性は構造物として基礎工の軽減を図り、軟弱地盤でも優れた性能を発揮します。

※ 口径Φ1000㎜で比較

接続が簡単

ダイポリンハウエル管 / ダイポリンヘグラー管はスリップオン方式、ポリエチレンパイプ内圧管はバット融着とEFジョイントで接続します。

特殊形状に加工が可能なため、現地作業効率が向上

高密度ポリエチレン管は高密度ポリエチレン樹脂の特性を活かし、特殊な形状に加工が可能な為、規格品だけでなく様々な形状に加工することができます。また、工場内で加工して出荷するため、施工現場での接続作業などを縮減できます。